見る→見える→気づく→考える→行動する
-ブロック塀の工事から-深谷中の北側から西側にかけてのブロック塀をフェンスに建て替える工事をしています。
この工事は、大阪において大きな地震で学校のブロック塀が倒れ一人の小学生の尊い生命が失われてしまった悲しい事故を受けて、深谷市が一斉調査をした中で、耐震性が不十分であることが分かったことから始まりました。学校でも調べたのですが、塀の高さや控え壁の配置など外見上問題は見つかりませんでした。しかし、市が念のために行った塀に穴を開けて内部まで確かめる調査をして、鉄筋が不十分であることが分かったのです。費用が随分かかる工事だと思いますが、生徒たちや深中の周りを通行する方々の生命にかかわるということで、財政が厳しいといわれている中にもかかわらず建て替え工事が始まることになりました。「生命を大切にする」という深谷市の強い意志が表れた工事のように感じ、大変ありがたく思っています。
人は何気なくものを見ていることが多く、見ていても見えない・気づかないことがたくさんあります。注意して見ることで、それまで見過ごしていたことに気づき見えるようになります。見えるようになったことについて、どう考え、どんな行動をとるかが大切だと思います。深谷市が、ブロックに穴を開けてまでして見ようとしたこと、そして気づいたことについて考え、東日本大震災でも倒れなかったブロック塀であっても「万が一」の危険を回避すべく工事に取りかかるという判断と行動に結びつけたことを、生徒たちにも伝え、自分たちの生命を周りの人たちがどんなに大切思ってくれているかを考え直させたいと思っています。
ブロック塀がなくなってみると、今まで見えていなかったこと、見えていないからあまり意識してこなかったことに気づきます。自転車置き場の様子です。今度はブロック塀に替わってフェンスになり、学校内の様子がよく見えるようになります。自転車が乱雑に置かれていたら恥ずかしいなと思います。こんなに大切に考えてもらっている生徒たちなのに、自分の自転車さえきちんと整理して置けないのかと思われたら恥ずかしいし申しわけないなと思います。この気づいたことを、今度は私たちが行動に移さなければならないと思います。
今までブロック塀の陰に隠れて気づかなかったのですが、立派な楓の木がありました。もう少しすると、きっときれいな紅葉の姿を見せてくれるでしょう。隠してきたわけではなかったのですが、見えるようになったからこそ、深中生のよいところをもっともっとたくさん、いろいろな面から見て、気づいて、一層応援していただけるような生徒たち・学校としていけるよう、頑張っていきます。
毎朝西門のところで自転車通学の生徒たちへの安全指導をしている先生の後ろでは、コスモスや黄色コスモスが、深中生が音楽会に向けて練習に励んでいる歌声にあわせるように揺れながら秋の深まりを知らせてくれています。