これからの時代に求められる教育について研究する　
　　　　　　　－次世代型教育ﾓﾃﾞﾙに関する研究　美術科－
10月15日（月）、埼玉県立総合教育センターで進めている｢次世代型教育モデルに関する研究｣についての研究授業を、第５校時に１年生の美術科授業で行いました。参加したのは県立総合教育センターの指導主事とこの研究に携わっている小・中学校の先生方４名です。
　　　
「シャガールの世界を散歩してみよう」という鑑賞の授業です。授業は、「鑑賞のきまり」を確認したうえで”４枚の花を描いた絵画の中からシャガールの作品を当てる”という活動から始まりました。１年生の中でシャガールを知っている生徒ってどのくらいいるのでしょう？おそらくかなり０に近いのではないでしょうか？でも、この挑戦的な問いかけに深中生の「やる気Switch」がＯＮになったようです。１年生の姿勢がグッと前のめりになりました。
　　　
シャガールは知らなくても、４枚の中にあるゴッホの向日葵やモネの睡蓮は作者は知らなくても見たことがある生徒はいたようで、自分の知識をもとにいろいろと考えているような生徒の姿が見られました。多くの生徒がシャガールと間違えた作品､実は深中の誇る井上画伯の作品でした
　　　
他の作品と比較しながら、シャガールの作品の特徴を何となくとらえさせてしまう「鑑賞」の学習の楽しい練習となっている活動です。「鑑賞」というと、”名画についての見方や解釈の仕方を教わる”というちょっと堅苦しいイメージがありましたが、そのイメージを覆されて、授業の中心に入っていきます。大きなシャガールの作品の複製画が示され、授業の始めに確認した「鑑賞のきまり　①隅々までしっかり観よう　②想像力を働かせよう　③自分の見方や感じ方を大切にしよう　④他の人の発言もしっかり聞こう」を踏まえながらの「鑑賞」の学習が始まりました。
詳しいことは、まだこの授業を受けていないクラスもあるのでここではふれませんが、学習に主体的に取り組む姿勢や思考力・判断力等の能力など、これからの時代を生き抜く人材に不可欠な力を身に付けさせることが意図されていて、なるほど「次世代型教育モデル」と感じました。授業を終えた後に行われた研究協議でも、活発な意見交換が行われていました。
　　　　　
単純なコピーのような記憶だけの学習ではなく、記憶したり身に付けたことを基盤にして新たな価値を創り出していくような学習がこれから益々求められていくはずです。基礎的・基本的なことをしっかり身に付けた上で、自分で考えて工夫したり活用したり応用したりすることを、様々な学習の中で進めていかなければと考えさせられる授業でした。