強敵に果敢に挑む姿勢に拍手 
-剣道(男子の部) 県大会個人戦-11月5日、木々の紅葉が進み書きの深まりを感じる上尾市にある県立武道館を会場にして、剣道の県大会が開催されました。深谷中学校からは、深谷市・大里郡予選で男子個人戦優勝した中村さんが出場しました。
剣道の県大会では写真撮影が禁止されていたので、大会当日の写真は掲載できず申し訳ありません。応援に行った時の様子を言葉のみでお伝えします。

団体戦が午前中に行われ、個人戦は午後から行われました。中村さんの県大会初戦はいきなり個人戦全体の第一試合。相手は、午前中の団体戦で準優勝したチームの主力選手、強敵です。実際に試合場で対峙してみると、体格の差も目立ちました。そんな相手に中村さんが取った戦法は・・・

とにかく積極的に攻め抜くことでした。団体戦準優勝校の一回り以上大きな相手に対して、怯むことなく果敢に攻めかかりました。
止められても、払われても、かわされても・・・何度も何度も挑みかかる姿勢に目を奪われました。会場で見ていた人たちにも同じ気持ちを持ってもらえたようで、中村さんが
相手を捉えたかに見えた時には何度も拍手が起こりました。しかし、審判の旗はなかなか上がりません。両者ともに有効打がないまま規定の時間を迎え、勝負は延長戦に持ち込まれました。規定時間内攻め続けた中村さんは、さすがに疲れてきたのでしょう。打ちかかっていってもしっかりと受けられ、反対に強く押され、場外へ出されてしまう反則を取られる場面もありました。
延長戦までもつれ込んだ勝負の幕切れは一瞬でした。中村さんの、ほんのわずかな隙を見逃さず振り下ろされた一撃一閃。中村さんの面をとらえた竹刀がしなった瞬間、それまでどちらの攻撃に対しても全く上がらなかった旗が三本、サッと上がりました。相手の有効打を示す赤旗でした。
強敵相手に果敢に攻め続けながら、勝利にはわずかに手が届きませんでした。
悔しかったと思いますが、勝負が決したことを告げる審判の声を合図に両者とも開始線に戻り、しっかりと礼をし試合場を退きました。両者の健闘をたたえる大きな拍手が送られました。見事に一本を決めた勝者だけでなく、果敢に攻め続けた敗者にも、拍手は同様に贈られていたように感じました。素晴らしい一戦でした。
試合後、顧問の先生に話を聞くと、今日の一戦に向けてしっかりと準備をし体調を整えられたそうです。また、試合後は先生に挨拶し指導を受けた後、すぐにお互いの試合を見合っていた知り合いの選手とそれぞれの試合を振り返って、よかったところや直すべきところを指摘し合っていたということも聞きました。
「Good Loser」という言葉があります。「
負けっぷりのいい人、負けたあとに取り乱したりしない人、負けを潔く認める人、負けを将来につなげられる人」という意味です。中村さんは正に「Good Loser」でした。県大会に出場できたからこそ真剣に竹刀を交わらせることができた相手との素晴らしい一戦を、きっとこれからの大きな成長につなげることができると思いました。