『短い夏休み』だから・・・❝質❞を高める
-Not Quantity. Quality is important.-野球部が練習試合をしている時に、校庭の反対側ではソフト部が練習をしていました。
夏休み中の部活動を見ていると、時間をかけてただ繰り返すだけではない基礎練習を今年は多く目にします。『短い夏休み』であることを踏まえ、どんな練習が効果的なのかいろいろと顧問の先生たちが工夫していると感じるのです。昨日見た柔道部の抑え込みの練習も、剣道部の先輩が後輩に型を教える練習もそうでした。
相手の動きを予想して自分の有利な形にどうしたらよいか、自分はできるけれどできない後輩にどう教えたらできるようにさせられるか・・・言われたとおりにやるだけでなく、
基礎練習でも、何のために・どうすればよいよくなるのか・考えて練習させる意図がうかがえます。今日見たソフト部のピッチング練習もそうでした。ピッチャーになってまだ日が浅いこの生徒は、自分の打撃や守備の練習以外の時間はひたすらブルペンで投球練習をしています。しかし、話を聞いてみると、ただ球数をこなすという練習ではないようです。左利きのピッチャーなので、右バッタのインコースに食い込むボールとなることを意識して一球一球投げているのだそうです。そして、どう投げた時にそのコースに投げられたのか、ダメだった原因は何かを、キャッチャーと確認・話し合いながら練習しているのだそうです。
王貞治さんは
「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない」と言ったそうです。王さんの言う
「報われる努力」とは「質をともなった努力」のことを指しているのだと思います。つまり王さんの言葉の本質は「量」よりも「質」に目を向けれうべきだということのようです。この夏休みに目にしている練習は、顧問の先生たちのそうした考えに基づいているのだと思います。
エリクソンという心理学者が、チェス・バイオリン・テニス・数学など様々な分野の世界中のトッププレーヤーたちを30年以上にわたって科学的に研究したそうです。その結果、トッププレーヤーたちには共通する5つのポイントがあったそうです。それが次の5つです。
①超具体的な目標を立てる ②意識して練習する ③フィードバック[結果を踏まえて改良や調整を加えること]
④常に現在の能力を上回る課題に挑戦し続ける ⑤効果的な練習方法を調べる・教えてもらう・考えるつまり、考え方を変えると、誰もが素晴らしい才能をもっているが、問題はその眠れる才能を引き出す
努力の仕方を知らないのだということです。だから、やみくもな努力になってしまい結果が出ずに苦しむのです。
そんな苦しい自分にならないためには、自分の中のあるメンタルが変わらないといけないのだそうです。そのメンタルとは、
『素直さ』だそうです。
言われたことをただやるだけがここで言う『素直さ』ではありません。ただ「はいはい」と聞くだけではなく、
分からないことはどんどん質問する、つまり「わからないことにも素直になる」そして「わかり・できるようになることに素直になる」姿勢が『素直さ』なのです。部活動だけではありません。深中生のみなさんが、自分の中の『素直さ』に目を向け発揮するきっかけを得る『短い夏休み』にしてくれることを願っています。