戦没者を追悼し平和を祈念する日
-今、戦争や平和を学び・考える意味-今日8月15日は、「
戦没者を追悼し平和を祈念する日」です。
世界の多くの国や地域を巻き込み、世界中で5000~8000万人もの犠牲者を出した第2次世界大戦。その戦争が終わってから75年が経ちました。今年も全国戦没者追悼式が実施され、本校でも半旗を掲げ亡くなられた方々への追悼の意を表しました。黙祷(もくとう) しながら、皆さんはどのようなことを考えたでしょうか。1945年の8月15日も、今日と同じように暑い日であったそうです。
第2次世界大戦については、小学校6年生と中学校3年生で、社会科の歴史分野の中で学びます。単に年号や出来事・人物の名前を暗記するのではなく、なぜあのような悲惨な戦争が始められてしまったのかを知り、どうして止められなかったのか・どうすれば回避できたのかを考えるような学習に是非してほしいと思っています。文字や絵、写真や映像といった記録の手段をもち、過去を振り返ることができる私たち人類が歴史を学ぶ意義は、そういうところにあると考えるからです。
今、コロナウイルスによる感染症の世界的大流行の収束が依然として見えない中で、「自分さえ、自分たちさえ、自分の国さえよければ・・・」という考え方が広がっているのではないかという懸念があります。自分たちだけでなく、みんなで幸せになる視点を、私たちは歴史から学ばなければならないのではないでしょうか?
今の法律では、投票日の翌日に満18歳の誕生日を迎える人は選挙権を得ることができます。つまり中学校を卒業して3年も経たないうちに、選挙で投票するという形で政治に参加できるようになるのです。
インターネットを見ていたら、興味深い写真を目にしました。戦時中にカラーフィルムは普及していなかったため、現存する写真の多くはモノクロです。色彩が失われた光景は「歴史上の出来事」という印象が強く、私たちとは縁遠いものという印象を強く感じてしまいます。「それでいいのだろうか?」そんな問題意識から、人工知能(AI)の技術を使って戦前~戦後のモノクロ写真をカラー化するプロジェクトが2017年から始まり、進行中の成果が7月に『AIとカラー化した写真よみがえる戦前・戦争』(光文社新書)として出版されたそうです。
モノクロ写真をカラー化すると、途端に身近な印象を受けます。
この中に自分や自分の身近な人が入っていてもおかしくない・・・、そんな印象を受けます。
幸い私たちの国では、この75年間戦争を起こすことも巻き込まれることもなく、平和な日々を過ごしてくることができました。それは、あの悲惨な戦争を経験した方々の「なんとしても戦争は嫌だ、回避する」という強い強い信念により守られた平和でした。戦争を経験していない人の割合は既に80%を超えています。直接戦争を経験していないという幸せを、なんとしても不幸に繋げないようにしなければなりません。そのためには、言葉や記録をはじめとした歴史から学ぶという人類の叡智を発揮するとともに、これからの社会や未来は誰かが用意してくれるのではなく社会を構成する私たち一人一人が考え・選び・決意し・創っていくものであるという自覚・意志が必要です。
中学校は「大人になるための学校」です。来週の火曜日から2学期が始まります。授業も、生徒会や委員会活動も、部活動も・・・、深中での様々な活動は、誰かに用意してもらうのではなく、深中生一人一人が深中生としての自覚と責任をもって自ら進めていくものにしていってください。