✿ 梅一輪 一輪ほどの 暖かさ ✿
-大寒ですが 次の季節の兆しも・・・-今は世界中で1年を12の月に分けていますが、日本や中国では古来12の月と併せて24の季節でその時々を表していました。
『二十四節気』と言います。その中で今は最も寒さが厳しい
「大寒」と言われる時期で、登校してくる生徒たちのマスク越しの息まで白く見えます。しかしそんな寒さの中に、次の季節の訪れの兆しも見ることができます。
『花の魁(さきがけ)』と呼ばれる梅の花です。白梅と紅梅とがありますが、少し先に咲き始め香りもかぐわしい紅梅の方が、より
『花の魁』に相応しいと思っています。

我が家の小さな庭で紅梅が咲き始めたので、一枝持ってきて一輪挿しに入れ校長室前に飾りました。改めて見てみると、毎年滝宮神社で求めている干支の土鈴にも紅梅の模様が描かれていました。

生徒が登校した後の昇降口に行ってみると、1年生と2年生の下駄箱には、いつものようにかかとを揃えた靴が整然と入れられていましたが、3年生の下駄箱には、何足かしかありません。今日が県内私立高入試の中心日で、多くの3年生が入学試験に臨んでいるからです。


3年生の教室には、今日受験をしない生徒が残って自主学習を進めていました。1組の
○○さんの机には、先日の受験生応援献立の給食で3年生の牛乳だけに貼られていた「合格祈願」のシールが5枚貼られていました。担任の先生に尋ねてみましたら、「試験を終えた生徒たちから『俺たちの分まで頑張ってこい!』と渡されたようです」ということでした

合格を祈願する五角形の絵馬のシールが五枚並んでいて、強力なご利益がありそうですね



2年生と1年生の授業の様子ものぞいてみました。3年生のほとんどがいない今日の深中において実質最上級生は2年生でした。4月には本当の最上級生になることを意識しているのでしょう、いつもよりもしっかりやらなくてはという気持ちが表れているようでした。1年生も、先輩となる準備が着々と進められているようです。『花の魁』である紅梅のように、2年生には
「深中の最上級生」となる兆しが、1年生には
「深中の先輩」となる兆しが、自覚と共に言動となって現れてきているように感じる1日でした。
松尾芭蕉の弟子であった服部嵐雪という人が、
「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」という俳句を詠んでいます。寒さの中で見つけた一輪の梅の花を見ていると、かすかだが春の暖かさが感じられる。あるいは、梅の花が一輪咲くごとに、少しずつ暖かい春が近づいている。そんな気持ちが込められたいる俳句です。春まだ遠い大寒の寒さの中で咲き始めた紅梅と、多くの3年生が入試のために学校を留守にしている中で、意欲的に頑張っている深中の2年生と1年生の姿が重なって見えました。