東日本大会本戦出場をかけて　
　　　　　　　　　－南中と東日本大会出場決定戦－
10月24日（日）、県営熊谷ラグビー場Bグランドを会場に、東日本大会本戦出場をかけた決定戦が深谷中学校と南中学校とで行われました。快晴･無風の絶好のコンディションのもとで、両校が激突しました。
　　
南中のキックオフのボールは深中陣奥深くに蹴られましたが、楕円球独特のどちらにバウンドするかわからない軌跡で深中ディフェンス陣から遠い方遠い方へと転がっていきます。深中ディフェンスが追いついたのはゴールライン直前。迫り来る南中オフェンスをかわしサイドに蹴り出すのがやっとでした。いきなり迎えたピンチを回避すべく、深中チームは全力でディフェンスしましたが、勢いに乗る南中フォワードの圧力に抗しきれずゴールラインを割られ、先制トライを奪われてしまいました。
　　
　　
　　
先制トライを挙げ､南中は勢いに乗って攻撃してきます。特に強力なフォワード陣が前に前に出てきて、深中ディフェンスに襲いかかります。深中ディフェンスが守るために集まってきたところでバックスにボールを回され、大きなゲインを奪われるという、悪い展開を抑えることができませんでした。前半は３本のトライを奪われ､深中は得点できないまま終えました。
　　
ハーフタイムに前半を振り返り、気持ちの切り替えと後半に向けたはっきりした戦術を確認し後半に入りました。
　　
後半開始から、深中の選手たちは見違えるように積極的に声を掛け合い、動き、ボールを前に前に運び始めました。そして･･･マイボールラインアウトをしっかりキャッチすると･･･
　　
すぐにしっかりモールを組むと、かけ声を掛け合い、そのかけ声に合わせてフォワードを中心にグイグイ押し始めました。ドライビングモールです。南中ゴールラインまで押し続けそのままトライ！深中の反撃が始まりました。
　　
　　
　　
しかし、南中も攻撃の手を緩めずトライを取り返します。それでも深中もあきらめません。
　　
取られたら取り返す！そうした執念を、後半の深中の選手たちには感じました。
南中ゴールラインまで５メートルに迫ると、大柄なフォワードが相手ディフェンスに思い切り体をぶつけて隙間をつくってFBへ手渡しパス。そしてFBがそのわずかな隙間に体を滑り込ませ、最後にボールを持った右手を伸ばし南中ゴール内にボールダウンしトライチームの力を合わせ「なんとしてもトライを取る！」という執念を感じるプレーでした。
　　
なかなかつまらない得点差。刻々と迫るノーサイドの時間。それでも、声をかけ合い、あきらめることなく、相手の突進を２人で止めボールを奪おうとするｗタックル！このメンバーでプレーできる時間を最後の最後まで全力を尽くす姿は、本当に輝いていました
そして遂に･･･ノーサイドを告げるホイッスルが響き、３年生を中心としたチームでの最後の試合が終わりました。スコアは１０－３８。反省すべきことはあっても、悔いはない試合であったと感じました。
　　
試合後の表彰式では、埼玉県・栃木県で第３位の表彰状をキャプテンが受け取りました。
ノーサイド直前にけがで退場したCTBも、ゲームドクターに診ていただき、骨折ではなく肉離れだったようでホッとしました。深中ラグビー部のアイスボックスの蓋を開けると｢絆｣の文字が現れます。部員は皆、試合でアイスボックスの蓋を開けるたびに、何度も何度もこの文字を見てきたはずです。そして、練習の中でも､試合の中でも、この｢絆｣で自分たちが結ばれていることを実感してきたのではないでしょうか。FBが手を伸ばして取った、今日の、そしてこのチームで取った最後のトライは、そうしたこのチームの｢絆｣を象徴するようでした。３月まで顧問としてこのチームを指導してくださった先生もいらして、今日までの３年生を中心としたチームの成長を褒め、ここまで頑張ってチームを引っ張ってくれた３年生を労ってくださいました。
　　　
目標としてきた「東日本大会本戦に出場し、１勝する」ことには、あと少し届きませんでした。しかし、その目標を意識し続け、個人としても、チームとしても、よく努力し、大きく成長したことは、私たちも、そしてそれ以上に選手たちが実感していると思います。３年生、お疲れ様でした本当にいいチームでした